音楽監督の棒振り日記

2023年7月2日

【棒降り日記】7/2 本番当日号!!

◆第45回 浜松市民吹奏楽団定期演奏会◆
〜塚本修也 音楽監督就任10周年〜

いよいよ本日です!

4年ぶり大ホールでの開催、市吹を指揮して10年、大好きな曲を演奏、そしてたくさんの皆さまに支えていただきこの日を迎えられること。

心の中にいっぱいになった感情を、音楽に乗せてお届けいたします。

演奏プログラムは、周年繋がりのある曲や私のお気に入りの曲をばかりを選びました。
聴きたい曲、まだ出会っていない曲がきっとあるはず!


本日のプログラムの発表です↓

【前半】
⚫︎ザ・バンドワゴン/P.スパーク

⚫︎ナイルの守り/K.J.アルフォード

〜合唱と吹奏楽の魅力〜 ゲスト:すずめの学校合唱部
⚫︎主よ人の望みの喜びよ/J.S.バッハ(A.リード)
⚫︎行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って(歌劇「ナブッコ」第3幕より)/G.ヴェルディ ※ヴェルディ生誕210年

⚫︎アルメニアン・ダンス パート1/A.リード ※初演から50周年

【後半】
⚫︎ミュージカル「レ・ミゼラブル」より/C=M.シェーンベルク(森田一浩)  ※映画封切り10周年

⚫︎《トロンボーン・カルテットのための》 Sweet Memories(スイート メモリーズ)/大村雅朗(川嵜淳一)  ※リリース40周年
トロンボーン:塚本修也 長谷川あゆ美 中田有美 木村愛子

⚫︎アルメニアン・ダンス パート2/A.リード ※出版45周年

☝️聴きどころ
「アルメニアン・ダンス」全曲に挑戦です!
しかも、パート1と2で演奏のタイミングをずらして、コンサート全体を支配する構成です。
その中にも様々な名曲を挟み、市吹と吹奏楽の魅力を存分に楽しんでいただきます。

吹奏楽曲の金字塔である「アルメニアン・ダンス」は、いつかは市吹で!と思いながら10年間温めてきました。
在籍していたシエナWOでも何百回と演奏してきた、一番思い入れのある曲です。

その他、私が留学していたイギリスの作品を2曲、私が監督する合唱団による華やかなステージ、アレンジ作品としても大人気のミュージカルの世界、私から感謝を込めてのトロンボーン演奏などをお楽しみください。

アクトシティ浜松大ホール
14時15分開場
15時開演です

皆さまのお越しをお待ちしております。

当日券は13:30より販売いたします!

塚本修也

2023年6月23日

【棒振り日記】6/20
〜市吹のコンサートが100倍楽しくなるお話し〜 その②

皆さま

その①は読んで頂けましたか?
なに?前回とタイトルが違ってる?!
そんな細かいことを気にするようじゃ、市吹の演奏の音程やリズムのずれも気になってしまうぞ。

さて、僭越ながら私が市吹を指揮し始めて10年が経ちました。
初めは私がまだ高校生の頃でした。(いま何歳だよ。)
ロンドンに留学をしていたので、先ずはイギリスの曲を2曲取り上げてイギリスの風を吹かせてみたいと思います。
スコッチだけよ。

⚫︎「ザ・バンドワゴン」
超人気なイギリスの作曲家、スパークの作品です。
タイトルからもわかるように、「楽隊車」をイメージしています。
この曲はオープニングに演奏しますので、これから始まるコンサートの先頭を行くワクワク感でお楽しみくださいね。

なんと言ってもこの曲、テンポが144!
これが脈拍だと持ってごらんなさい。
ビッグサンダー・マウンテンもびっくりなドキドキとスリリング感。
リハーサルでも、曲が最後まで行くといつも数人が振り落とされていなくなってしまいます。。

皆さまも振り落とされないよう、アクト客席のシートベルト(別売り)をしっかりとお締めくださいね。

⚫︎ナイルの守り
イギリス音楽の2曲目は、アルフォードが作曲をした定番マーチをどうぞ。
でも、どこか憂や哀愁に満ちているんです。
実はこのマーチ、短調なのです。

最初は引き締まった表情で始まりますが、メロディが流れてくると一気に心を掴まれてしまいます。
そしてメロディに絡むユーフォニアムとサックスの対旋律がなんとも泣けてくる。
長調になると活力と輝きを放ち、そうかと思えばクラリネットの深く切ないメロディへと受け継がれていく。

途中、進軍ラッパの音が遠くから聴こえてきますが、市吹の演出にも注目。

そう、この曲は日本人の心に何かグンと惹きつけられるのが人気の秘訣かも。
皆さまにはどう聴こえるでしょうか?
演歌とも違うんですよね〜。

マーチを得意(自称)としている市吹です。かなりこだわりを持って演奏しますので、期待してくださいね。
単調にならないようにしなくちゃ。

(その③に続く。)

チケットのお求めはお早めに。

浜松市民吹奏楽団音楽監督・指揮者
塚本 修也

2023年6月15日

【棒振り日記】6/15

〜定期演奏会の聴きどころ〜 その①

皆さん、こんにちは!
お元気ですか?
「梅雨で天気も心もジメジメ、最悪だよ〜。」
というそこのあなたに朗報です!
7/2(日)にアクトシティ浜松大ホールにて、第45回の定期演奏会が開催されます!
この日は気象庁より、市吹の演奏によって梅雨明け宣言をするからよろしくね、と期待されています。(イメージ)
なんと言っても、これまで市吹の定期演奏会の日は殆ど晴れなのです!
では、聴きどころを話していきましょう。

①コロナに負けるなー
前回大ホールでの開催は、なんと!4年前の2019年6月でした。
この間、できるかなーと思って計画を立てたら中止になったり、中ホールでコンパクトにやったり、特別コンサートを開催したりして、なんとか活動を存続をしていきました。
そうそう、ドイツ演奏旅行も中止に。。
そしてついに、ついに!この日を迎えます!!
音楽は言葉にできない感情を伝えるものです。
当日は、私も含め舞台に乗る77名の団員もきっと、大ホールで4年分の感情が大爆発する演奏になること、間違いなし!
その爆風と心に沁みるハーモニーを、ぜひ体感してください。

②アルメニアン・ダンス全曲演奏
「その曲なあ〜に?」
「もっと知ってる曲やってよ、演歌とか」
企画段階でも、「せめてパート1と2を別の会にしましょうか?」
という意見もありました。
過去の定期では、私が小学生の頃にパート2を演奏していて聴きに行き、「世の中にこんな曲があるんだー」と興奮をした記憶があります。
もう40年以上も前ですね。
アメリカの作曲家A.リード(1921−2005)によるこの曲、私が思うに吹奏楽ではベートーヴェンの「運命」くらいに匹敵する知名度、完成度、人気度があると思います。
スケールの大きさ、様々な様式が集まった音楽組曲、親しみを感じる民謡から引用されたメロディ、アレンジのアイデア、すべてのパート(声部)の重要性、全体を支配するエキゾチックな雰囲気、人間の限界に挑戦させられる音並び、吹奏楽が出せる多彩な音色、楽器とオケが気持ちよく鳴るオーケストレーションなどなど、他にもたくさんの魅力がこの曲にはありますので、皆さんも発見をしてみてください。
パート1は1972年に作曲、翌年初演されました。
ということは、今年で初演50周年!
パート2は1978年に出版されました。
ということは、今年で出版45周年!
なんと、今年は密かにアルメニアン・ダンスイヤーなのです。
当日は、前半プロでパート1を演奏して問いかけ、後半プロでパート2を演奏してその答えを出すプログラム構成にしました。
(休憩中や他の曲の時は、もやもや、またはワクワクするかもしれません。)
パート1が第1楽章、パート2に2楽章から4楽章があると考えられています。
アマチュア吹奏楽団で全曲を一気に聴けるこ機会は殆どありません。
ちょっとした長編小説を読む感じでしょうか。
全曲演奏をすることに意義があるのかなと。
私もシエナWO時代に、数えきれないほどの本番とレコーディングをしてきた、とても思い入れのある曲です。
吹奏楽の金字塔であるこの曲を、果たして私たちはこのタイミングで演奏して良いのでしょうか?!
その答えは、皆さんが会場に立ち会ってどうか判断をしてください。
(その②に続く。)

浜松市民吹奏楽団音楽監督・指揮者
塚本 修也

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