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怪獣(しくゃじまたお) |
昭和50年7月14日(日)午后7時青年婦人会館音楽室でのことである。
古ボケた楽器のケースをぶらさげ寄り合った人約15名、初対面の人達が多く皆少々緊張ぎみである。 私も紹介され、前に立った。 いくつかの細胞が集まりさあこれから一つの生き物の誕生の一瞬を迎えようとしている。
私は感動で震える指揮棒を下ろした、遂にその正体を現したキャー! 私は叫んだ、恐怖のあまり2拍目に入ろうとする所で腕が金縛りになり動かない、ドキーッと大きな心臓の音がした、周りの人にも聞こえた。 体温は6度も下がり髪の毛は全部垂直に立った、足がガタガタ震え靴が脱げた、あぁ神はおそろしいものを創りたもうや、こんなバケモノは生かしておけない、町中へでも歩きだしたら大変なことになる、今すぐにでも抹殺しなければならない。
しかし一つの生命としてこの地上に生まれてきたからにはそれは許されない。 始末の悪いことにコイツはどんどん細胞がふえ大きくなってきてしまった。 だれもエサも水も与えないのにどうして10年も生きながらえてきたのだろう、私はある日コイツの後をつけてみた、とある水辺に近づいた、やはり何かを食べていた。
私は水辺のむこうにまわってエサが何であるか知りたかった、遠くてよく判らない、気付かれないようそっと近くまでよってみた、カエルの幼虫だった。
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| 常任指揮者 塚本好司 (昭和62.5.26第8回定期演奏会プログラムより) |
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