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ある夏の夜の悪魔より


1978年8月1日(火)晴れ


地球が太陽に近づいている。


このままジリジリと近づいていくと、数日後には、太陽の炎が地球に”ボッ”と点火し、全ての生物は丸焼けとなる。


君の大事なクラリネットも、あなたの大切なフルートも、全ては灰になってしまうのだ。
ナント!恐ろしいことだろう。
こんなになる前に、なぜもっとしたい事をし、充実した生活を…人生をすごしておけば良かった。


団の中でも平均年令をぐっと高くしているのもこの俺のせいだ。
年だけは一番上でも、何の取り得もない自分が情けない。


もっともっと練習を重ね、技術向上にために努力すべきであった。
そうすれば、若い人達にも迷惑をかけずにみんなについてゆけたのに。
今さら…。
後悔先にたたずである。


遅刻常習犯も大きな痛手となっていることも…。
”TIME IS MONEY”
あぁ…。
真赤な炎が次第にこちらに向かって来る。
もはやこの世も終わりに近づいて来た。
マツビシも、セイブもグランドホテルも、すでに焼け落ちた。
かろうじて残っているのは、青年婦人会館だけだ。
もうだめだ!
トロンボーンのスライドも熱のために5m…いや10mものびただろうか。
赤く焼けただれている。
やめてくれ―。助けてくれ―。Oh!GODよ。
せめて今度生れ変わることが出来るなら。
塚本先生のような。リッパなミュージシャンに生まれ変りたい。
ミナサン、最後のお祈りを…。

 

(昭和54.6.18第2回定期演奏会プログラムより) 


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